ここから、今治に風を起こす。〜わたしたちのロゴができるまで〜

ロゴを制作するデザイナーの手元

はじめまして。

はじめまして。バリ・エンパワーメントクラブの山本和(やまもと のどか)です。
このサイトの記事はメンバーそれぞれが自由に思いを語ることになっていて、今回はわたしの番。

初めてなのでちょっと緊張しますが、せっかくなら自己紹介と、チームのロゴができあがるまでのお話をしてみようかなと思います。

わたしと、デザインのこと

わたしは今治出身・今治在住のデザイナー。
普段はWebサイトやWeb広告、チラシ・パンフレットなど紙もののデザインを中心に手がけていて、たまに動画も作ったり。

Webサイトに関してはコーディングまで請け負うこともあり、デザイナーとしてはわりとマルチに活動している方ではないかなと思っています。

そんなわたしですが、実は今までロゴだけは制作機会がなく…デザインの勉強を始めた頃に練習でいくつか制作して以来、とても久しぶりのことでした。

だからこそ今回は、一つひとつのプロセスを改めて丁寧に見直す良い機会になったと感じています。
そして何より、チームのみんなとアイデアを出し合いながら進められたことが、とても心強くて楽しい時間でした。

チームロゴ制作の舞台裏

ロゴの作り方はデザイナーによって色々ですが、わたしの場合は、すぐにPCを開かないと決めています。
いきなりIllustratorなどのデザインソフトとにらめっこするのではなく、まずは紙と鉛筆から。

最初に、バリ・エンパワーメント クラブや今治市について、思いつくキーワードやイメージをひたすら言語化して書き出します。
そう、いきなり形やイラストは描かないんです。
この徹底的に言語化するという過程が、ロゴ制作において最も重要なプロセスだと思っています。

連想ゲームのようにいくつも言葉を書いていきながら、徐々にぼんやりとイメージが浮かんできたら、ラフスケッチに起こしていきます。
ここでやっとイラストを描き始めるんですね。

バリ・エンパワーメント クラブのロゴ案ラフスケッチ

今回はラフの時点で4つの案ができたので、この時点でチームのメンバーに見せて選んでもらったのですが…
実はこのとき、メンバーが全員一致で「これ!」とチョイスしてくれた案は、わたしの中では全く有力候補ではありませんでした。


3案のラフを描いた後に適当に落書きをしていたら「おや?なんか形になってきたな。これも候補に入れとくか」くらいのテンションで最後に付け加えた案だったのです。
なので、正直内心「Oh…マジか…」と思っていたのですが、今となってはこの案を選んでもらえてよかったなと思っています。

ここから手描きのラフをIllustratorでデザインに起こし、細かい調整を繰り返しながら制作を進めていきました。
今改めて資料を見返すと、仲間と一緒にひとつのデザインを模索していた時間そのものが、大切なプロセスだったと感じます。


ロゴに込めたわたしたちの“想い”

ラフスケッチの段階では、わたしたちのロゴはこんな形でした。
(字が汚すぎてお見せするのが恥ずかしいのですが、ラフなので許してください)(いえ、いつもこれぐらい汚いです)

これをちまちまとIllustratorでデザインに起こしているうちに、わたしの頭にふと浮かんだフレーズがあります。

『原始、女性は太陽であった』

女性運動家・平塚らいてうが大正元年に雑誌『青鞜』で発表した、あまりにも有名な言葉ですね。
特に何か調べたとかいうわけでなく、わたしの中に自然に降りてきました。

そこで、わたしは思ったんです…
「よし、このロゴ太陽っぽくしよう!」
わたしという人間が、いかに安直素直かがおわかりいただけたかと思います。

バリ・エンパワーメント クラブのロゴ最終案

こうして最終的に完成したロゴは、女性らしいやわらかさと、「太陽」のような力強さをあわせ持つかたちになりました。
今治市や住まう人々を、太陽のようにあたたかく勇気づけるような存在でありたいという想いを込めています。

全体のシルエットは今治市の花「つつじ」をモチーフにし、柔らかで有機的なフォルムは、女性らしいしなやかさを表現しています。
中央に向かって集まるようにしべを配置することで、それぞれのクリエイターの異なる個性や想いが集まって一つのチームになる様子を表現。
花弁は外に向かって開いていくような形と配置にすることで、一人一人の力が開花する様子、クリエイターの力が今治全体に広がっていく様子を表現しました。

また、このシルエットは今治を代表する産業である「造船」のスクリューや、新しい風を起こす「風車」をも想起させ、地域の未来を切り拓く力を象徴しています。

ちなみにロゴのメインカラーも、つつじの花から抽出した“アザレアピンク”という色です。
制作過程でつつじについて深掘りしていくうちに、子どもの頃から見慣れた生垣のつつじが、とても愛おしく見えるようになりました(そう、わたしはとても単純)


おわりに

わたしたちがロゴに込めたのは、“わたしたち自身の想いと物語” です。
仲間とともに歩み、これから地域に届けたい熱い想いを、このひとつの形に重ねました。

このロゴは、私たちにとってただのマークではなく、チームとしての未来への決意。これから掲げていく旗印です。
このロゴとともに、今治の街と人をエンパワーメントしながら、活動を広げていきたいと思います。

これからも、このブログでメンバーそれぞれの声を届けていきます。
次回は、これまたわたしが制作を担当した『名刺』についての裏話を書こうかな。
ぜひ、お気軽にのぞきにきてくださいね。

この記事を書いた人

今治市出身・在住のデザイナーです。WEBデザイン、紙もの、動画制作、コーディングまで幅広く手がけています。
元看護師、元看護教員というちょっとユニークな経歴も。趣味は弓道と歌うこと。
育児に奮闘する3児の母でもあります。